スマホに依存している娘さんをもつ親御さんからご相談を頂きました。
高校に入学して間もなく、スマホゲームにはまって注意してもやめません。
平日は、学校から帰って〜24時過ぎくらいまで、休日前は3時ぐらいまですることもあります。
学校がつまらなくスマホが心の拠り所だと思い、見守ろうと思いますが、スマホをめぐっての親子喧嘩が絶えません。
何度かルールについて話し合いもした後、2,3日は守っていますが、少しずつ時間を破り、「約束はお母さんが勝手に決めた」と言います。
スマホを取り上げて、取り返されを繰り返して、結局こちらが諦めると言う感じです。
毎日入っていたお風呂にも入らなかったり、ご飯も食べないときもあります。好きだった本、漫画、TV、DVDがあっても素通りです。半年前までは勝手によく見ていたのですが…
どうしたらよいのでしょうか?
おそらく、このような子供のスマホ依存で困っているご家庭は多いと思います。
特に、高校生になると皆当たり前のように持つようになるので、自分だけスマホを持たないというのは目立ちますし、疎外される原因にもなります。
また、学校がつまらないとなると「スマホが唯一の友達」になりますし、ますます依存してしまいますよね。
相談者であるお母様も娘さんがスマホにのめり込むことに危機感を覚えて、ルールを話し合ったり、いったん取り上げたりと工夫はされていますが、相手が全く聞いてくれないということです。
今回、施術とカウンセリングアドバイスをさせていただきました。
まずは、スマホ依存の子供の実態についてお伝えしていきますね。
スマホ依存している中高生は1日2時間勉強しても無意味
2021年に厚生労働省が中高生を対象に実施した調査の結果、ネット依存を強く疑われる者が中学生6.0%、高校生9.4%であり、合わせて52万人と推定されています。
5年前に比べると、ネット依存を強く疑われる中高生が8割近くも増えているという結果で著しいです。
たとえ1日2時間以上勉強していても、スマホをいじっている時間がその2倍以上(4時間以上)になると、スマホをさわらないが勉強時間が30分未満の子と比べると成績が悪いのです。
つまり、1日2時間の勉強が全く意味がないということです。
「うちの子はちゃんと勉強しているからスマホやタブレットは自由にさせているのよ」という親御さんはたくさんいますが、まったく安心できません。それが落とし穴だったりするのです。
スマホゲームだけでなくLINEなどのSNSも同じようなものです。友達からメッセージが頻繁に送られてくるのでソワソワしたり、返事が気になって勉強に集中できなくなります。
スマホが子供によくないということはほとんどの親は知っていますが、この実態を全国の中高生を持つ親がどこまで把握しているか、です。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、iPadを自分の子どもの側に置くことすらしなかったそうですよ。
また、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツも、自分の子どもには14歳になるまでスマホを持たせなかったそうです。
こんな有名な創業者でさえも、子供には持たせたくないという危機感をもって徹底しているのです。
子供がスマホ依存症になるとどうなるか?
スマホを使いすぎていると、当然ながら健康障害を引き起こします。
・ドライアイ
・視力低下
・姿勢の悪化(スマホ首、腰痛、猫背)
・うつ病
子供は成長期にあるので、特に視力は低下するのが著しいです。
幼児期や小学生の間に当たり前のようにスマホを持たせて、子守をしてもらっている親は多いですが、子供の視力低下のことなどきっと考えないのでしょうね。
もっとも怖いのはうつ病です。
スマホによる継続的な脳への刺激が原因で脳が疲弊して発症させるようです。
親である人たちは子供たちが社会にでて視力低下、うつ、コミュニケーション障害、片頭痛に苦しむ未来でもいいと思うのでしょうか?
ぜったいに思わないですよね。
本当に子供のことを思うなら、きちんと管理すべきです。
子供のスマホ依存症対策のためのコミュニケーション
中高生は思春期で親の言うことを聞かなくなる年ごろです。
だからこそ、小さいうちから親子でしっかりコミュニケーションをとることが何よりも大事です。
きちんと親子の意思疎通ができていると、子供は親との絆や愛情を感じ取れますし、信頼を寄せるようになります。
学校や友達関係で悩み事があるときは親に相談もできるのです。
子供が抱えている問題や課題も一緒に取り組んで解決していけば、子供はスマホに依存する可能性が低くなるのです。
子供と話し合って納得させた上でのルール作成
ほとんどの子はスマホを持ち始めたらルールが守れません。
特に、親が一方的にこうしないと決めたルールは平気で破ります。
ですので、子供と話し合ってお互いが納得したルールをちゃんと紙にかいて、目立つところに貼っておくのがよいです。
また、約束を破った場合、どんなペナルティがあるのか、事前に子供は知っておいて、十分納得させておくのです。
そうすることで、子供と大喧嘩したり、子供が逆上したりすることはなくなります。
もし、子供が泣き叫び暴れても冷静な対応が親には求められます。
決して子供に対してやっぱ可哀そうだから返してあげようかな、とか、次守れるならいいかなという緩い気持ちにならないことが大切です。
時間はちゃんと親がアプリで管理してくださいね。
既にスマホ依存症の子供に対して親がやるべきこと
スマホへの依存は、執着です。
と神様も心配されています。
スマホ以上になにか魅力的なものがなく興味がないから、スマホから離れられないのです。
そこで、べたなやり方かもしれませんが、親のほうも協力してスマホ依存の子供の関心をシフトさせるように努力すべきです。
例えば、
・高校生ならアルバイトさせる
・一緒に週末は出かける(買い物もいいですが、自然のある場所にいくと気持ちがリフレッシュできます)
・地域のイベントや講演会に参加させる
・山村留学させる
何も興味がない、関心がないという子ほどスマホ依存しやすいので、このように環境を少しでも変えてあげる努力を親が手伝うのがよいです。
子供が嫌がっても親はすぐに折れないで、一緒に行こうよ!と誘ってみてください。
どこでどう心が引っかかるかわかりませんし、自分のやりたい分野が見つかることだってあるのです。
子供はいろんな可能性を秘めていますから、いろんなことに体験させてあげることで気づきを得やすいです。
この子はどうせ…と諦める前に、そんな風にさせてしまった親が積極的に努力しているか!です。
繰り返しになりますが感情的になったら終わりで、スマホ問題は解決しませんので、冷静さを保つことを意識してみてください。